「サイベックスのトラベルシステムって何?」「普通のベビーカーと何が違うの?」「新生児から使いたいけど、何を買えばいい?」ベビーカー購入の検討を進める中で、知ったトラベルシステム。都内と北信越の2拠点生活送る自身にとっては、車も新幹線も必須で興味を持ちました。
本記事では、そんな私が実際に「サイベックス リベル×クラウドT」を選び、使ってみて本当に良かったポイント、気をつけたいデメリットまで含めて、解説します。
トラベルシステムとは?意味と仕組みを解説
トラベルシステムとは、チャイルドシートとベビーカーを一体運用できる仕組みです。
赤ちゃんをベビーシートに乗せたまま車⇄ベビーカー⇄室内へ移動でき、寝ている赤ちゃんを起こさずに済むのが最大のメリットです。
またベビーシート自体にリクライニング機能がついているモデルではフルフラットに倒し、簡易ベッドのように使うこともできます。自宅はもちろん、赤ちゃんを寝かせる場所がない外出先でも、ベビーシートをフラットにすれば安心して休ませられるのも利点のひとつです。

もともと欧米では一般的な育児スタイルである一方、日本国内での販売メーカーや商品数は少なく、注目度は高くありません。それでも、車と公共交通機関を併用して子育てする家庭、旅行や帰省が多い家庭を中心に便利なベビー用品で、「必須装備」とも言えます。
チャイルドシートは車移動、ベビーカーは電車移動と使用用途が定まっているのに対し、トラベルシステムでは様々な移動シーンで活躍します。
シーン | 具体例 |
---|---|
車⇄ベビーカー | 車で寝たまま→ベビーカーにそのまま移動 |
自宅⇄車⇄公共交通 | 荷物が多いお出かけも段差レスでスムーズ |
新幹線⇄レンタカー | 長距離移動も抱っこ不要で負担軽減 |
サイベックスのトラベルシステムの特徴
サイベックス トラベルシステム組み合わせ例
サイベックスでは「トラベルシステム対応モデル」を豊富に用意しています。そして、自社の全てのベビーカーにベビーシートを装着してトラベルシステムとして利用することが可能です。
つまり、サイベックスの好きなベビーカーと対応ベビーシートを組み合わせて、自分に合ったトラベルシステムを構築できるということです。(※各モデル専用のカーシートアダプターが必要な場合あり)
トラベルシステムを構成するベビーシートは、大きく分けて「クラウドG i-Size」と「クラウドT i-Size」の2種類があります。どちらも新生児から使える安全性の高いモデルですが、軽量性を重視するか、フルフラットリクライニングなどの高機能を重視するかで選び方が変わります。下の図にあるように、それぞれの特徴を把握してから検討するのがおすすめです。

以下にベビーカーとの組み合わせ例をいくつか紹介します。
- 高級フルサイズモデル:クラウドT + プリアム
- サイベックス最上位クラスのベビーカー「PRIAM(プリアム)」シリーズは、生後1ヶ月から使えるゆったり設計のA型ベビーカーです。大きな車輪と安定した走行性で、快適さと高級感を兼ね備えたトラベルシステムが実現できます。重さはありますが、段差もスムーズに乗り越えられるため、車移動+ベビーカーで街歩きを存分に楽しみたい方におすすめです。
- シティ向けミドルサイズ:クラウドT + ミオス
- 都会派ベビーカーのMIOS(ミオス)もプラチナムラインのA型ベビーカーで、PRIAMよりコンパクトながら走行性とデザイン性に優れています。カフェのテーブル脇でも邪魔にならないスリムさで、おしゃれに街中を移動できるトラベルシステムとして公式にも人気の組み合わせです。ベビーシートを装着すれば対面で赤ちゃんを乗せられるので、首すわり前の赤ちゃんとのおでかけも安心です。
- 超軽量トラベルシステム:クラウドG + メリオ カーボン
- とにかく軽さを重視するなら、ゴールドライン最軽量クラスのA型ベビーカー「MELIO Carbon(メリオ カーボン)」との組み合わせが挙げられます。メリオはわずか5kg台の超軽量ベビーカーで、クラウドTと比べて軽量なクラウドG i-Sizeと組み合わせれば総重量10kg程度の非常に軽いトラベルシステムが完成します。軽量ゆえ持ち運びが楽で、マンションの階段移動や電車移動が多い方にも適したセットです。
- 兄弟・双子にも対応:クラウドG + ガゼルS
- サイベックスのGAZELLE S(ガゼルS)はシートを追加して二人乗りにできる拡張型ベビーカーです。ガゼルS自体はシートユニットやバスケットとも組み合わせて使用することが可能で、買い物バスケット付きとしてなど幅広い利便性も魅力です。年子や双子で新生児が二人いる場合にも、ガゼルSのトラベルシステムは解決策のひとつです。
- コンパクト旅行向け:クラウドT + リベル
- 都市部や旅行先で活躍する超小型B型ベビーカー「Libelle(リベル)」は、新生児から使える旅行向けセットとして活用可能です。通常リベルは生後6ヶ月〜のB型仕様ですが、クラウドシリーズと組み合わせて使用することで新生児期より使用できる点もポイントです。飛行機や新幹線での移動が多いご家庭には、このクラウドシリーズ + 超小型ベビーカーの組み合わせ例が便利です。
その中でも私は、クラウドT + リベルの組み合わせを選択しました。
詳細は以下に記載しますが、実際に使ってみて、車から電車、新幹線への移動がとてもスムーズ。荷物が多い日でも「赤ちゃんを起こさずにそのまま運べる安心感」は予想以上でした。
私がリベル×クラウドTを選んだ理由
私たちは「東京都内と北信越地域」の二拠点で暮らしており、都内では公共交通機関・北信越では車移動という生活をしています。このため「自宅」「車」「公共交通」の3箇所を赤ちゃんごとスムーズに行き来する必要があり、トラベルシステムを検討しました。
数ある選択肢の中で「サイベックスのリベル×クラウドT」に決めた理由は、コンパクトなリベルを新生児期から使いたかったから。
飛行機の客室内持ち込み可能で、ベビーカーを畳んで車の後部座席足元に置けてしまうほどコンパクトなリベルをベースとして、「自宅」「車」「公共交通」を行き来する動線は無駄がなく大きな魅力でした。
クラウドTを使うとリベルも新生児から使える!
リベル自体は「首すわり後(約6ヶ月〜)」のB型ベビーカーですが、クラウドTと組み合わせることで新生児期から使用可能になるという大きな魅力があります。「小さく軽いB型が欲しいけど新生児期は使えない…」というジレンマを、トラベルシステムで解決できるわけです。
また通常B型は前向き固定ですが、クラウドT装着時は対面ベビーカー状態になるため、赤ちゃんの顔を見ながらベビーカーを使うことが可能です。

車移動との相性も抜群
ISOFIX固定用の専用ベースT(別売)を使用すればワンタッチ着脱で車に装着でき、簡単にチャイルドシートとしての取り外しが可能です。また、専用ベースTによって180°回転させることができるようになり、赤ちゃんの乗せ下ろしも格段に便利になります。
もちろん安全面でも、クラウドTは側面衝突の際に衝撃を吸収・分散する構造になっており安心です。さらに11段階高さ調節可能なヘッドレストを備え、赤ちゃんの成長に合わせてヘッドレストを上下させ調整できる仕組みも安心材料でした。

フルフラットで赤ちゃんも快適性
クラウドTは3段階リクライニングで水平姿勢を作ることができ、リベル装着時にシートを倒せばフルフラット状態でベビーカー走行が可能です。
また平置き時はハンドル位置を調整することでゆりかご状態を作ることも可能で、友人宅など外出先でも赤ちゃんをシート内でリラックスした姿勢にできるのは大きな利点です。

実際に使って感じたメリット・デメリット
大検討の末購入に至ったリベル×クラウドTのトラベルシステムは、実際に使ってみて大満足の結果となりました。「車移動も公共交通機関移動も多い生活の中でコンパクトに移動したい」という思いにピッタリあてはまり、お出かけシーンで強い味方になってくれています。
実際にリベル×クラウドTを使って新幹線に乗車した体験談もまとめています。荷物棚や足元スペースが気になる方はこちらをご覧ください。
一方で、デメリットに感じる点もあったのも事実です。是非メリットとデメリットを天秤にかけて、自分たちのライフスタイルにフィットするかを検討いただく材料になればと思いそれぞれ以下に紹介します。
メリット
- 赤ちゃんを起こさずに済む
- 最大のメリットはこれにつきます。車で移動中に寝てしまった赤ちゃんをわざわざ起こしてベビーカーに移す必要がなく、そのまま「家⇔車⇔ベビーカー」をスムーズに移動できるのは想像以上に大助かりでした。寝かしつけ直しの手間が減り、おでかけ中の赤ちゃんの機嫌も損ねにくくなり安心です。
- 新生児期から外出しやすい
- リベルにクラウドTをセットすれば、生後間もない新生児からベビーカーを利用できます。国内メーカーのA型ベビーカーも新生児対応は多いですが、クルマ移動が中心の家庭では退院直後から車用チャイルドシートとベビーカーの両方が必要になります。トラベルシステムならその二役を一つのベビーシートで兼ねられるので、移行もスムーズで負担は全く感じませんでした。
- 屋内外でマルチに活躍
- ベビーシートは車内だけでなく室内や外出先でもチェア代わりになります。家では床に置いてバウンサー的に使ったり、飲食店ではベビーシートをローチェアとしてテーブル横に置いたりも可能です。ベビーシートがベビーカーやチャイルドシートだけでなく、移動式の簡易ベッド&チェアになる柔軟さも実際に使って感じた大きなメリットのひとつです。
- チャイルドシートを複数車で使い回せる
- 車へのシート着脱がワンタッチで簡単にできるISOFIX固定用の専用ベースを2台購入し、自宅の車に加えて、実家の車などにもベースを備え付けておくことで、複数の車両に1台のベビーシートを付け替えて使うことができました。使用頻度の高い車数台にベースだけ設置しておけば、シート本体をワンタッチで乗せ替えでき、移動の幅が大きく広がり大変便性です。
このように、通常のベビーカー+チャイルドシートの運用では得られないメリットを実感し、赤ちゃんとの暮らしを快適にしてくれる最強ツールとして大活用に至っています。
デメリット
- 赤ちゃんの体重増加に伴う「重さ」の負担
- 赤ちゃんの体重が増えてくるのに比例して、ベビーシートごと持ち運ぶ重さもどんどん増してきます。新生児期は平気でも、体重が10kgになった赤ちゃんを5kg程のシートに乗せて、合計15kg運ぶのはかなりの負担を感じたのが事実です。
- 赤ちゃんが乗った状態でのベビーシートを比較すると、ベビーカーから車へ運ぶことよりも、ベビーシートのまま自宅から車へ運ぶことの方が個人的には大変でした。持ち上げる際の高さの問題です。
- 使用期間の短さ
- ベビーシート自体の適用期間は「新生児〜18ヶ月頃まで(身長87cmまで)」とされており、長くても1歳半程度で次のチャイルドシートに切り替える必要があります。ベビーカーはリベルをそのまま使えるものの、専用ベースTを継続使用する場合は新生児〜4歳用のシローナTを別途購入するため、長期視点では一体型(〜4歳対応)のチャイルドシートより買い替えの手間が増えます。
- 車のドアタイプによる不便さ
- ベビーカーを車の横に置いて作業することになるため、特にスライドドアではなく開閉式の車に装着する場合、駐車間隔の狭い駐車場では隣の車にドアをぶつけないか気を使う必要があり大変です。
- コスト高になりがち
- トラベルシステム運用にはベビーカー本体とベビーシートに加え、「専用ベース」や「アダプター」などオプション品が必要です。これらを一通り揃えると初期費用は高めになります。例えばリベル+クラウドTの場合、ベビーシート約4.4万円+ベースT約3.2万円+リベル約3万円+アダプター約0.4万円で、総額10万円近くになる計算です。通常のAB型ベビーカー単体+0〜4歳対応チャイルドシート一基で済ませる場合より、総コストは上がる可能性は高いです。
- 他メーカーのトラベルシステムと比較した場合、コストの面では他に優れている商品も複数存在します。Joieはベビーカーとベビーシートのセットを手頃な価格で提供しており、コスパ重視であればJoieに軍配が上がります。
- 使わない場合は宝の持ち腐れに
- 生活スタイルに合致しない場合は、トラベルシステムの恩恵を十分享受できない可能性があります。例えば「そもそも車移動がない」などベビーシートを頻繁に付け外しする場面がなく、せっかく揃えても持ち腐れになるかもしれない場合では無理に揃える必要はない可能性もあります。
まとめると、リベル+クラウドTでは非常に便利な反面「重さ」「コスト」「使用期間の短さ」などのデメリットも存在します。特に車移動の頻度や住環境によって向き不向きがあり、メリットを最大限活かせる家庭にとっては素晴らしい選択肢である一方で、そうでない場合は無理に導入しなくて良いというのが正直な感想です。
これらのデメリットもありますが、私自身は実際に使ってみて「それを超える便利さ」が圧倒的だと感じています。
まとめ
サイベックスのトラベルシステムは、「車」「公共交通」「自宅」をシームレスに繋げてくれる、まさに現代の子育てライフにフィットした仕組みです。
特にリベル×クラウドTの組み合わせは、新生児期から使える安心感・コンパクトで持ち運びやすい利便性・赤ちゃんを起こさず移動できる快適さを兼ね備えており、二拠点生活や旅行の多い家庭にとって最適解のひとつだと感じています。
もちろん「重さ」「コスト」「使用期間の短さ」など注意点はありますが、それ以上にメリットが大きく、日々のお出かけや長距離移動が本当に楽になったと実感しています。
トラベルシステムが気になっている方は、商品詳細を確認と合わせてぜひ自分たちのライフスタイルに合うかどうかを考えてみてください。そのうえで「新生児から使えるコンパクトさ」を求めるなら、リベル×クラウドTのセットはとても有力な選択肢になるはずです。