出産後の育児に少しずつ慣れてきた頃、「赤ちゃんを安心して預けて休みたい」「専門家に母乳や体調の相談をしたい」と思うママも多いはず。
今回は愛育クリニックの産後デイケアに続いて、東京都港区白金台にある 「クリニック ばんびぃに」 の産後デイケアについてレビューします。
1日2組限定で助産師・看護師が赤ちゃんの様子を細かにみてくれる安心感と、上質な休息時間を過ごせる素晴らしい体験でした。
MAMMA & BAMBINIの産後ケアを予約してみた
港区白金台にある、小児科クリニックばんびぃにに付属し、医療×育児サポートを組み合わせた産後ケアを提供してMAMMA & BAMBINI。
建物自体はコンパクトながらも、助産師・看護師が常駐しており、ママと赤ちゃんが安全に過ごせる環境が整っています。
まず、ばんびぃにの産後デイケアは 1日2組限定。
このため予約枠がすぐ埋まってしまうため、私自身も問い合わせから実際の利用までに約2か月かかりました。
ただし、予約受付では「近い月齢の赤ちゃん同士を同日利用に調整」するなど柔軟な配慮をしてくれた様で、都合の良い日程で予約が取れる日を気長に待ちました。
尚、クリニックばんびぃにのデイケアには ベーシックコース と プレミアムコース の2種類があり、プレミアムコースでは少し先の予約枠を取ることが可能です。
「絶対にこの日に利用したい」「里帰りスケジュールに合わせたい」といった場合にはプレミアムコースでの予約も検討の価値があります。
- ベーシックコース（10:00〜15:30）
港区助成金利用：2,000円／回
自費利用：28,000円／回 - プレミアムコース（10:00〜16:00）
港区助成金利用：5,500円／回
自費利用：31,500円／回
＋αの滞在時間があり、余裕を持って過ごしたい方や、希望日を確実に押さえたい方におすすめ。
港区の「産後母子ケア事業（デイサービス型）」を利用すれば、自己負担を大幅に軽減でき、通常料金の1割弱で利用可能です。
助成金の利用には事前登録が必要のため、区役所窓口または公式HPで確認の上申請を行っておきましょう。
個室の様子
クリニックばんびぃにの個室は、まるで小さなブティックホテルのような可愛らしい空間で、「自宅のようにくつろげる安心感」 と 「ホテルのような快適さ」 が絶妙に両立しています。
淡いピンクベージュを基調とした花柄の壁紙やリネン、アンティーク調の家具が統一感を生み出し、「医療施設」というよりも “ママのためのご褒美ルーム” のような雰囲気に包まれています。
個室内に洗面台などはなく、全体的にコンパクトで少し圧迫感を感じる作りですが、清潔に保たれており、Wi-Fi完備で快適に過ごせます。
ベッドはシモンズ製のふかふかマットレスで、寝転ぶと自然に身体が沈み込むような柔らかさ。日中なかなか眠らないタイプの私でも、ここではついウトウトしてしまうほど快適でした。
ベッド横の小棚にはティッシュや時計、鏡、耳栓などが並び、必要なものにすぐ手が届くように設計されています。
また、椅子と小さなテーブルもあり、パソコンを使った作業タイムにもぴったり。
一方で、建物自体が住宅街の中に位置していることもあり、窓の外からの工事の音や隣室の物音（コンセント抜き差し音など）が聞こえる場面もありました。
個室の広さも限られているため、静寂を求める方は少し気になるかもしれませんが、この温かみのある空間は、短時間でも心身をしっかりと休められる工夫に満ちています。
産後ケア当日の流れ
10:00 産後ケアスタート｜個室での準備と赤ちゃんのお預かり
施設へ到着後、すぐに案内されたのは1日を過ごす個室。
室内を案内いただいた後はそのまま、当日の体調や授乳状況を確認する簡単なヒアリングと書類の記入を行います。受付スペースなどでなく、個室というプライベート空間での受付手続きは、落ち着いて手続きが進みスタッフさんとも深い会話ができる点で安心です。
また、この時点で 赤ちゃんを預けるか、一緒に過ごすか を選択できます。
今回は赤ちゃんをお預けして利用しましたが、最初から最後まで同じスタッフさんが1日を通して担当してくださるため、安心感が抜群。
預ける場合でも、都度ベビールームに赤ちゃんに会いにいくことは可能で、様子を見に行きたい際は個室内に置いてあるインターホンでスタッフさんへ連絡します。
11:00 ママケアとリラクゼーション体験｜アロマケアで心身を整える
個室での準備を終え、体調の確認をしたあとは、午前のメインとなるママケアとリラクゼーションの時間へ。
助産師さん・看護師さんに、状況に合わせたサポートを相談すると親身になって答えていただけます。
助産師さんに対しては、母乳ケアや授乳姿勢の確認相談が多い様で、授乳リズムの乱れや乳房の張り、ミルクの量など、気になることを何でも相談できるとのこと。
そして希望すれば、有料のアロマタラソテラピーやシートパックなどのオプションケアも受けられます。施術は助産師・看護師が担当してくれるため、産後の身体にも安心。
- アロマタラソテラピー（上半身70分） ¥9,000
- アロマタラソテラピー（全身90分） ¥15,000
- シートパック（エラバシェ・HASバイオマスクRなど） ¥1,540〜¥2,200
アロマがほのかに香る室内で、凝り固まった肩や背中がほぐれていく感覚はまさに極上。短時間でも「自分に戻る時間」を持てることが、心のリセットにつながります。
12:00 ランチタイム｜白金の名店「和味 大輔」の特製御膳
デイケアの楽しみのひとつが、白金の和食店「和味 大輔（なごみ だいすけ）」 が手がける特製ランチ。
夜のみ営業している人気店の味を、昼間に個室でゆっくり味わえるのは、ばんびぃに 産後デイケアならではの贅沢です。
お食事は一汁八菜のように品数が多く、見た目にも華やか。
お膳には「子持ち鮎の塩焼き」や「真鯛の昆布締め」など、季節の素材を活かした料理が並びます。
副菜には「芹と春菊の胡麻和え」「安納芋のすり流し」「ちりめんじゃこと秋野子のサラダ」など、身体にやさしい献立。
産後の体を気づかいながらも、丁寧に作られた一品一品に「本格和食の満足感」があり、利用者の多くが「このランチ目当てでまた来たい」と話すのも納得です。
この日のお膳のお供は、栗ごはんとほうじ茶のセット。
炊きたての栗ごはんはやさしい甘みで、心がほっとほどけるような味わいでした。
陶器の茶器に添えられた温かいお茶を片手に、ふと「一息つく」時間が持てるのもデイケアならではの魅力。
味・見た目・空間のすべてに「もてなし」の心が感じられ、ただのランチというより、産後のママへのご褒美時間のようでした。
15:00 ティータイム｜紅茶とメッセージカードに込められた温もり
ランチが終わりまったり過ごしたあとは、ほっと一息つけるティータイムの時間。
提供されたのは、上品な花柄マグカップに注がれた紅茶と、かわいらしいラッピングのメッセージカード、そして ばんびぃにオリジナルのタオルおしぼり。
写真の通り、ナチュラルな木のトレーの上に並ぶ紅茶セットは、シンプルながらもとても丁寧な雰囲気。
スイーツなどは提供が無かったので、紅茶と一緒に楽しめる様にスイーツを持参すればよかったと悔やまれます。
スタッフさんから赤ちゃんの状況共有と共に「もう少し、ゆっくりお過ごしくださいね」と声をかけてもらい、
その一言とともに差し出されたお茶の温かさが、体にも心にも沁みました。
また、添えられていたメッセージカードには、その日担当してくださったスタッフさんからの手書きのメッセージが。心遣いとあたたかい言葉に、思わず心がほぐれる瞬間でした。
15:30 退室｜足形プレゼントで締めくくる特別な時間
ティータイムで心身ともに癒されたあとは、退室の手続きへ。
スタッフさんがいらっしゃり、個室で落ち着いた雰囲気の中手続きが完結します。
スタッフさんからは、赤ちゃんの1日の様子をまとめた記録シートを添えて、授乳量・お昼寝・おむつ替え・機嫌の変化などを丁寧にフィードバックしてもらいました。
まるで保育日誌のように詳細で、「この時間にぐっすり眠っていました」「〇〇のおもちゃに興味津々で○○して遊ぶことが好きな印象がありました」など、赤ちゃんの一日をやさしく振り返ることができます。
さらに、最後には赤ちゃんの足形が押された記念の制作物をプレゼントしていただきました。かわいらしい足形のカードは、思いがけないサプライズで、“この日を特別な記念日として残せる” 心のこもった贈り物です。
荷物をまとめたあと、最後にベビールームへお迎え。ドアを開けると、スタッフさんに見守られながら過ごすわが子の姿があり、「1日中大切にケアしてもらっていたんだな」と実感して、胸がいっぱいになりました。
わが子も満たされたような穏やかな表情で、安心した様子で抱っこに戻ってくる瞬間は、言葉にならないほどの感動です。
この退室時の温かい時間が、クリニックばんびぃにの“産後ケア＝癒しの時間”を象徴する締めくくりでした。
実際に滞在して感じたこと
実際に1日を過ごしてみて感じたのは、「医療的な安心感」と「ママへの思いやり」の両方がしっかり共存していること。
一方で、利用前に知っておくとより快適に過ごせるポイントもいくつかありました。ここでは、体験を通じて印象に残った点をまとめます。
安心の看護師・助産師のサポート体制
母体が小児科ということもあり、助産師・看護師が常に近くにいるという安心感が大きな特徴です。
赤ちゃんの発達チェックから、ママの健康確認まで、医療的な視点でサポートしてもらえるのがとても印象的でした。
体温も1日に何度が測ってくれていたり、体重や身長からの成長具合確認をしてくれていたり、また看護師である担当スタッフさんを通して、お肌の状態相談にも的確にアドバイスをもらえ、信頼感がありました。
日常の中ではなかなか手の回らない小さな一つひとつのフォローが、専門的な安心感につながります。
持ち物・レンタル品を使うとさらに快適に
施設は「白金台駅」から徒歩圏内とはいえ、途中に坂道、施設入り口に階段があり、赤ちゃん連れの移動はやや大変に感じました。
私は今回は自前の荷物で行きましたが、実際には用意されている「手ぶらセット」を利用することで、移動がかなり楽になると思います。
▷ 手ぶらママセット（+¥2,200）
- SOTHYS クレンジング・化粧水・クリーム
- 歯ブラシ・ターバン
- ホテル仕様ルームウェア・バスタオル
▷ 手ぶら赤ちゃんセット（+¥600）
- おむつ（MIRAFEEL または ナチュラルムーニー）
- おしりふき・ミルク（明治 ほほえみ）
- 哺乳瓶（母乳実感）
- レンタルベビー服・スタイ（Familiar）
産後の外出は荷物が多くなりがちですが、このレンタルセットを使えば最小限の荷物で安心して利用できるので、次回は活用してみたいと感じました。
個室の狭さと防音性に注意
個室は清潔で居心地の良い空間ですが、施設自体が住宅街の中のコンパクトな建物であるため、外の生活音や他の赤ちゃんの泣き声、スタッフの会話などが聞こえることもありました。
静かな空間で完全に休みたい方にとっては、少し気になるかもしれないため、使い慣れたイヤホンやヘッドホンも持参すると安心です。
またイヤホンなどを持参すれば、YouTubeなど音の出るサービスを使ってゆっくりしたい場合にも、隣室の利用者さんをはじめとした周囲への配慮が及び、周囲を気にせず音声サービスを利用できる点でもあると便利です。
予約の取りづらさが最大のネック
ばんびぃにの魅力の1つである、1日2組限定という特性上、予約は日程候補や申し込みタイミングに余裕をもつことが必要です。
利用時点でネット予約は無く、電話での予約導線となり、予約開放と共に枠がすぐ埋まってしまう印象。キャンセル待ちが基本と思った方が動きやすいです。
ただし、そのぶん当日は他の利用者と施設内で会うことが一度もないプライベート空間で、入室・退室・ケア中もゆったりとした時間が過ごせました。
また、施設側では「初めての利用の方が優先的に利用できるよう調整」してくれるなど、柔軟な対応をしてくれる印象です。
どうしてもこの日に利用したい、という場合は、オプションのプレミアムコースの早期予約枠を検討するのもおすすめです。
このように、利用してみて感じたのは、“小さな施設だからこその温かみと、一人ひとりに寄り添う丁寧な対応”。
完璧な静けさや広さを求めるよりも、「安心して赤ちゃんと自分を任せられる場所」を探しているママにぴったりのデイケアでした。
まとめ：医療×癒しの白金台デイケア体験
「クリニック ばんびぃに」の産後デイケアは、医療の専門性と心のケアが両立した、ママのための特別な場所 でした。
助産師・看護師が常駐している安心感のなかで、赤ちゃんの発育や状態を相談でき、心身をゆるめる時間をしっかり取れる——そのすべてが、「産後の自分を整えるための1日」として価値のある体験です。
ふかふかのシモンズベッドでの休息、白金の名店「和味 大輔」による和食ランチ、紅茶とメッセージカードで締めくくる穏やかなティータイム。一つひとつの時間に、ママへの思いやりが感じられました。
小児科を母体に持つ医療機関ならではの専門的サポートに、癒しとリラクゼーションの要素が加わることで、「産後ケア＝回復とリセットの時間」として理想的な形を実現している印象です。
もちろん、1日2組限定のため予約はやや取りづらいですが、その分しっかりと時間と空間を確保してもらえる贅沢さがあります。助成金を利用すれば自己負担を抑えつつ、高品質なケアを受けられる点も大きな魅力。
こんなママにおすすめ
- 医療機関の安心感を重視したい
- 赤ちゃんの発育や母乳ケアを専門家に相談したい
- 短時間でもしっかり良質な睡眠を取りたい
- ランチやお部屋の雰囲気も楽しみたい
「少し休みたい」「自分を取り戻したい」そんな気持ちを抱えたママにこそ、この“白金台の小さな隠れ家”のようなデイケアを一度体験してほしい——そう心から思える1日でした。
🔗 関連記事
ショートステイも対応している愛育クリニックと比べると、施設規模は小さいものの、ばんびぃには「短時間で安心してリフレッシュしたい」ママには理想的な選択肢です。
